相模湾のシラス漁が3月11日に解禁され、江の島近海では新鮮な海の幸を求めて漁業者が次々と「船びき網漁」へ出港した。
鵠沼で4代続く網元の「堀川網」(葉山一郎社長)の漁師たちは早朝6時ごろ、船上に寒風が吹き渡る中、片瀬漁港を出港。沖合200mまで船を走らせたところで、水深8m付近にシラスの群れを発見した。魚群探知機を駆使して慎重に群れの位置を見極め、大きな赤いブイを海に投下。ブイを目印に大きく船を旋回させ、魚群を取り囲みながら、100mのロープにつないだ網を海中に下ろしていった。
船を走らせながら、広がった網を手繰り寄せて回収すると、シラスが次々と姿を現し、漁師たちの顔に笑みが広がった。
網を引き揚げた葉山博史さんは「初日の漁はシラスの顔が見られれば一安心」と相好を崩す。「今日は水温が低く、13・7℃ほどしかないので、まだまだ量が少ない。本格的に獲れ始めるのは3月下旬から4月上旬で、水温が16℃くらいになってから。今年は黒潮の流れが良いので、これからたくさん獲れるようになると期待できる」と話した。
堀川網によると江の島近海でのシラス漁は、6年前に東日本大震災が発生した日は大漁だったが、その後、津波の影響で十分に漁に出られなくなるなど、漁獲の低迷期が続いたという。「自然が相手だから難しい。大漁になるかどうかは、親がいかに多く産卵するかに頼るしかない。最近、茨城沖などで大漁だったと聞き、江の島沖でも期待したい」と葉山社長。
捕獲したシラスは大型のザルに移され、漁師たちがピンセットで、ごみやほかの魚を選別。成長し、はらわたが大きくなったシラスも「苦みが出てしまうから」と選り分けた。葉山社長は「新鮮で質の良いものだけを生シラスとして、その日の内に直売所で販売する」と語った。
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