文化庁の新進演奏家育成プロジェクトに選ばれ、7月13日にソロリサイタルを開く 三原 未紗子さん 藤沢市出身 27歳
尽きない向上心
○…文化庁が進める世界に通用する芸術家の育成を目的としたプロジェクトの1人に、期待の若手ピアニストとして選ばれた。7月には東京文化会館でソロリサイタルを開き、演奏を披露する。「大きな舞台で演奏できる機会に感謝しているし、とても嬉しい。私を知ってもらう絶好の機会にしたい」と意欲的だ。
○…市内宮原で生まれ、小学生からは川名で育った。ピアノは、母が好きで4歳から習い始めた。10歳で参加した小さな発表会で、その才能を見初められ本格的な道へ。小学6年で「かながわ音楽コンクール」の最優秀賞に輝き、神奈川フィルと共演すると「緊張して息もできなかった。でも、ピアノを弾く喜びが実感できた」と向上心に火がついた。高校は名門の桐朋女子高校音楽科へ進学、同大学、大学院と進み、ピアノ漬けの日々を送る。「厳しい練習もありがたいと思えるタイプ。もっと上手くなりたいと思っていた」と笑顔になる。
○…大学院を出るとドイツへ留学を決める。「カミナリが落ちるようなショックだった。この先生と勉強したい」。フランス人のジャック・ルヴィエ氏を慕い、彼が在籍するベルリン芸術大学へ入学。昨年からオーストリア・ザルツブルグの音大で学んでいる。「演奏に何かが足りない。基本から見つめ返さないといけない」とはっきりと指導されたことが心に響いた。音楽の考え方から、楽譜の読み方まで、一から百まで教わっているという。「演奏の上達を実感している。もっともっと曲を弾いてみたい」。向上心は尽きることはない。
○…リサイタルでは6曲を披露するが、リストの「ピアノソナタ」が自信の1曲だ。「30分を超える大曲だけど、ルヴィエ先生とじっくり勉強してきた」。リサイタルが成功するか失敗するかは、自身の腕次第。「曲の素晴らしさを伝えることができたら嬉しい。私の思いを曲に乗せて表現したい」。期待に胸を膨らませる。