神奈川県美術展 平面立体部門で大賞を受賞した 麻生 知子さん 羽鳥在住 34歳
創作意欲は止まらない
○…神奈川県美術展の平面立体部門459作品の中から自身の作品「浴場」が大賞に輝いた。受賞作品は、縦162cm、横227・3cmのキャンバスに真上から見た浴場の様子を描いたもの。浴場自体が持つ幾何学的な線条と人や水などの動きが違いを尊重し、高めていると評価された。「見る人がお風呂に入った気持ちになってくれたら嬉しい。神奈川県に越してきて5年になるが、この賞でようやく県民になれた気がする」と笑顔になる。
○…埼玉県所沢市で生まれ育ち、幼い頃から絵を描くことが好きだった。近所に美術大学があり、学園祭に遊びに行くと教室にさまざまな色や形のオブジェが並び、まるで迷路やお化け屋敷のように見えた。学生の作品展示だったが、「わくわくして、とにかく楽しかった」と想像力が刺激された。高校生になると夢は絵描きと心に決め、大学進学を目指す。「深く考えず、突っ走るタイプ。それぐらいに美術は楽しくて、絵しかない」。大学受験には5回失敗するも「絶対、絵描きになる」と諦めず、6回目で合格した。
○…大学在学中から公募展に入賞、個展を開くなど才能を発揮。主に食べものや人、お風呂を描いている。2009年からは友人と2人で全国各地、旅行に出かけ、インスピレーションを受けた作品を旅先の会場で展示する「ワタリドリ計画」を行い、独自の世界観を発表している。
○…プライベートでは、6年前に34歳年上の男性と結婚。学生時代、自身の作品の唯一の理解者となり、支えてくれた優しさに惹かれたとか。今は5歳の息子を育てながら、創作活動も意欲的に取り組んでいる。今後は個展の作品作りと来年の9月には福音館書店から絵本『こどものとも』を出版予定。「作品をたくさん作っていきたい。常に新しいものを描きたい」と目を輝かせた。展覧会は6月21日(水)まで神奈川県民ホールで開催されている。
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