2018年の念頭にあたりタウンニュース藤沢編集室では、鈴木恒夫藤沢市長に昨年1年間を振り返ってもらうとともに、新しい年にどのような取り組みを行っていくのかを語ってもらった。 (聞き手/本紙・曽我和)
―あけましておめでとうございます。まずは、昨年1年間を振り返ってもらえますか。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
昨年の出来事というと、4月に市政運営の総合指針2020を策定し、新たなまちづくりの羅針盤を定めました。また、子どもの貧困対策の一環として給付型奨学金制度をスタートさせたほか、教育環境の整備を図るため藤沢市教育応援基金を創設しました。
―奨学金や基金は未来を担う子どもたちがいきいきと夢に向かうための手助けとなりますね。
6月には、姉妹都市提携30周年の節目を迎えたカナダ・ウィンザー市へ藤沢市公式訪問団の団長として市民訪問団、議員訪問団の皆様と共に訪れてまいりました。未来に向けたウィンザー市との友好の証として桜を寄贈させていただくなど、様々な交流が図られました。
―ウィンザー市の桜が満開になればさらに友好の絆が深まることでしょう。楽しみですね。
7月に「藤澤浮世絵館」が開館から1周年を迎え、9月には記念事業として川崎砂子の里資料館の所蔵作品を交え、「江の島と名品浮世絵展」を開催しました。浮世絵館の入館者は1年間で当初の予想を上回る4万人を超え、多くの市民の皆様に浮世絵に触れていただき、藤沢市の歴史や文化への理解を深めていただくことができました。
―来館者数は当初の見込みの2倍とお聞きしました。市としては嬉しい誤算というか、それはかなり知ってもらったということになりますね。
10月の市制記念日には、「王将」、「兄弟船」、「矢切の渡し」など、数々の名曲を世に送り出し、音楽関係団体の要職を歴任され、文化勲章を受章された故船村徹さんに藤沢市で15人目となる「藤沢市名誉市民」の称号を贈り顕彰いたしました。
新庁舎で業務開始
また同月、テラスモール湘南にて、東京2020オリンピック競技大会1000日前イベントを開催したほか、セーリング体験など数多くのPRイベントを実施し、江の島にやってくるオリンピックの気運醸成を図られたものと考えております。
12月には辻堂駅北口エリアにおいて、藤沢デザインウィーク2017を開催しました。アーティスト・芸人の西野亮廣さんにご協力いただき、光る絵画展やこどもワークショップを実施したほか、魅力的な音楽を発信するライブを開催しました。また、時を同じくして、藤沢市アートスペースでは、国際的に活躍されております藤沢市出身の毛利悠子さんの展覧会を開催するなど、今後もこの辻堂を藤沢市の新たな文化・芸術の発信地として、盛り上げていくことも考えています。
―毛利さんの展覧会は今月28日までですね。
そして、昨年の印象深い出来事としては、やはり新庁舎の落成式典が挙げられると思います。これまで、長きに渡り使用してきた旧本館や旧東館は、東日本大震災をきっかけに耐震不足が明らかになり、惜しくもその役目を終えることになりました。藤沢市の未来を支える基盤としての庁舎が昨年完成したことは、とても大きな出来事でした。
これら昨年の事業が、本年、そして未来に向けた元気なまちづくりに繋がるものと考えております。
―その新庁舎ですが、いよいよ1月4日(木)から業務のスタートとなります。その概要や市民サービス向上につながるものなどを教えてもらえますか。
はい、新庁舎は「人・環境にやさしい 市民に親しまれる庁舎」をテーマとして建設いたしました。
建物としては地上10階、地下1階で免震構造を取り入れた庁舎となっており、機能としても市民の皆様に分かりやすいサイン表示や各階に多目的トイレを設置するなど、ユニバーサルデザインに配慮しております。またワンストップサービス窓口、防災拠点としての機能を持つほか、市民広場、イベント広場、屋上庭園、市民利用会議室など市民交流の場を設け、市民の賑わいの場として、そして質の高い市民サービスの向上に資する庁舎となっています。
また、藤沢市では「健康寿命日本一」を目指し、健康増進・介護予防等を推進しております。その取り組みの一つとして、今年1月から受動喫煙防止のため、新庁舎をはじめとした公共施設敷地内の全面禁煙を実施します。
―喫煙者は益々肩身が狭くなりますね。それでは2020東京五輪についての準備はどうでしょう。
藤沢市の役割は、一人でも多くの市民の皆様に何らかの形で参加していただき、オリンピックの意義を心から感じていただくことだと思っております。そのためには様々な分野での取り組みが重要ですので、市役所の各部門や関係機関が集まった部会を課題ごとに設置し、検討を重ねています。
―具体的にはどういうことでしょう。
例をいくつか挙げますと、市民参加に向けた取り組みもその一つです。今年の夏から募集が開始されるボランティアや大会を盛り上げるための藤沢市独自の「(仮称)市民応援団」の設立に向けた準備を進めております。1月14日(日)には「ボランティアフォーラム」、3月24日(土)と31日(土)には「(仮称)市民応援団設立イベント」を企画しています。
また、オリンピック・パラリンピックはスポーツだけでなく文化の祭典でもあります。藤沢市歌の一節にも、「みなぎるは 文化の光」とありますが、藤沢は豊かな文化・芸術があふれる街です。大会を契機に、郷土に息づく文化・芸術、歴史を再認識し次世代に伝えていくことができるよう、文化プログラムについても策定を検討しております。2020年に向け、文化都市藤沢の魅力を国内外に発信する取り組みや、市民の皆様をはじめ多くの方々に参加していただけるような事業を実施していきたいと考えています。
そして大会の盛り上げのためには、何といってもセーリング競技の魅力を知っていただき、応援してもらうことが大切です。9月にはオリンピックに向けたテスト的な大会として、江の島でワールドカップシリーズが開催されます。世界中から集まるトップセーラーたちの迫力あるレースを肌で感じていただきたいと思っております。
―まずは9月のワールドカップが待ち遠しいですね。
2020年のセーリング競技では、パラリンピックは残念ながら開催されません。それでもパラリンピック、パラスポーツは全力で盛り上げていきたいと考えています。3月には藤沢市で初めて、ボッチャ競技大会を開催します。「いつでも・どこでも・だれでも・いつまでも」スポーツを楽しむことのできる生涯スポーツを推進する藤沢。ボッチャはその可能性を大いに秘めたスポーツであると考えています。多くの皆様のご参加をお待ちしています。 藤沢市では1964年以来、2度目のオリンピックとなります。市民総ぐるみで応援し、楽しみ、盛り上げ、藤沢の未来を担う子どもたちへ、レガシーとして継承される大会にしたいと考えています。
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