藤沢版 掲載号:2018年3月9日号
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菖蒲沢在住杉山さん 被災者の似顔絵描き続け 7年間毎月福島に

社会

福島県新地町の祭りで似顔絵を描く杉山さん(右)
福島県新地町の祭りで似顔絵を描く杉山さん(右)
 3月11日で、東日本大震災から7年をむかえる。震災直後から今でも、毎月藤沢から福島に通う女性がいる。目的は特技の似顔絵で地元の人々と交流を深め、福島との関係を保ち続けること。今月末もサインペンと画用紙を手に馴染みの地へ向かう。

 菖蒲沢在住の杉山百合子さん(64)は震災直後、報道で介護の人手不足を知り、「自分の介護経験を活かせるなら」と、福島県郡山市に向かった。その後、南相馬市はボランティアが足りないことを知り、同年7月に訪れ、津波で汚れたアルバムの洗浄を手伝った。以来毎月1泊か2泊での福島通い。当初は常磐道が通れず、片道6時間半かかった。12月で写真洗浄のボランティアが終わると、自分の特技である似顔絵を、同市の社協が主催する仮設住宅サロンでスタートした。子どもが緊張しないように、ピエロに扮して描くのが杉山さんのスタイルだ。地元の知り合いも増え、「ボランティアという意識はなくて、友達に会いたいのと、福島が魅力的だから行っちゃうの」と笑う。

 仮設住宅の完成は復興の第一歩でもあったが、問題も出始めた。社協の職員が「サロンに来られる人は良いが、来ない人が心配だ」と話していた。しばらくしてサロンは終了し、その後は地元の人の紹介で祭りや、道の駅で似顔絵を続けている。

 南相馬は若い世代が戻らないため、働き手が少なく、店もあまり開いていない。そんな中、ある学習塾の講師は、携帯番号を教えて子どもや親の相談を24時間いつでも受け付けていると聞いた。頑張っている人は杉山さんにとっても魅力的に映る。

当事者の声に寄り添い

 震災から7年。今も心の隅に残るのは、被災地に対する報道の取り上げ方だ。「例えば嘆いている人や復興に向けて尽力する人、片方だけが現実じゃないはず」と杉山さんは話す。

 原発事故後、避難を余儀なくされた飯舘村を訪れたときのことだ。村の高齢者に向けて、被ばく線量の計り方を教える講座があった。自宅に帰ることを心待ちにしている人もいる。しかしその一方で、「帰ってもかつての生活は戻らないし、高齢の親だけでは万が一のときに助けることもできない。余計なことを教えるな」。そんな家族の声もあがった。「お互いに本心だからぶつかってしまう。両者の気持ちが分かるだけに辛かった」と杉山さんは振り返る。

 除染が進み、畑や田園風景といった元の街並みを取り戻しつつある姿をみて、「こんなのどかな街だったのかとわかった」と杉山さん。これからは南相馬市小高区の高齢者施設でボランティアをしたいという。

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