藤沢市に拠点を置く株式会社SEtechの関根弘一代表(66)が、3年の時間をかけ開発してきた「画が出ないカメラ(SEカメラ)」が商品化となった。特定領域で動きがある時だけ内蔵センサーが感知し作動するカメラで、介護施設などでプライバシーに配慮した監視カメラとして活用を期待している。
関根代表は、大手電機メーカーを退職後、2015年、63歳のときに1人で起業してカメラ開発に着手した。介護施設を見学した際、1台のモニターに複数の撮影画像が表示され、それらを同時に確認することが介護する人の負担になっていると感じたことがきっかけだった。
メーカー勤務時代にイメージセンサーなどの開発に携わった経験と人脈を活かし、従来のカメラとは異なり、監視するエリアを192分割して選択した特定領域の動きだけに反応するカメラを開発。例えば、高齢者の住宅で室内の生活の様子は写さず、ドアを開けた時だけ、また建築現場の立ち入り禁止区域だけでセンサーを作動させるなどの使い方ができる。
監視モニターには、センサーが作動した場合以外、ほとんど画像が流れないことから、愛称を「画が出ないカメラ」と名付けた。関根代表は「見られる側、見る側のストレスを解消し、省エネにもなる。高齢者の徘徊対策としても役に立てるのではないだろうか」と期待している。
また、関根代表は大腸がんの発見が遅れたことによる死亡率の高さにも着目。早期発見や未病の改善につなげようと、便座にセンサー・カメラを組み込んで便を撮影し、便潜血の有無や色などを継続的に観察する「便座カメラ」の開発にも取り組んでいる。
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