藤沢版 掲載号:2018年6月1日号
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石川丸山谷戸 藤沢の原風景、守りたい

社会

田植えに精を出す援農クラブのメンバーら
田植えに精を出す援農クラブのメンバーら

 援農クラブが休耕田復元

「藤沢三大谷戸」の一つで、県里地里山保全地域に指定されている「石川丸山谷戸」の棚田で今年も田植えが始まった。担い手の高齢化や人手不足から長らく休耕田になっていたが、10数年前にボランティアが援農クラブを組織し復元。荒れていた谷戸の整備も手掛け、貴重な原風景を今に残している。

 住宅地のほど近くにある斜面地。竹林を抜けると、昔ながらの里山の風景が視界に広がった。

 初夏の日差しに恵まれた先月26日、谷戸にある棚田では「丸山谷戸援農クラブ」(臼田三雄代表)のメンバーらが田植えに精を出していた。あたりには湧水のせせらぎやカエルの鳴き声がのどかに響く。

 谷戸一帯はかつて、市がごみの最終処分場を作る候補地になっていた。既存の施設が延命されるなどして計画は中止されたが、当時のメンバーが「貴重な原風景を残したい。休耕田を自分たちの手で復活させよう」と2005年に同クラブを発足。大型ごみが不法投棄されていたり、雑草が生い茂るなど荒れ果てていたが、地権者の理解を得て、1年ほどかけて棚田をよみがえらせた。

 クラブの活動は基本週2回。水田だけでなく、竹林や梅林の手入れ、畑仕事など幅広い。環境が改善すると、夏にはホタルも飛び交うようになり、数年前から知る人ぞ知る名スポットとして注目を集めるようになった。現在は地権者と保存会を組織し、ホタルの生育も見守っている。

 「こういう場所が藤沢にもあるんですよ」。メンバーの下條勝也さん(72)は目を細める。

 豊かな生態系が育まれ、畑仕事をしながら四季折々の風景に触れるのは、メンバーに共通した楽しみ。元新聞記者の下條さんも、リタイア後に目覚めた一人だ。

 クラブの活動は人手不足に悩む農家への手助けにもなっており、祖父の代から農業を営む田代哲雄さん(72)は「ここは日照時間が短くて収穫が割に合わない。でも援農さんが手伝ってくれるから助かるよ」と話す。

 活動への共感が広がり、会員は現在100人を超えるまでになった。下條さんは「いつまでもこの景観を守っていきたい。ここを訪れる子どもたちにも自然や農業の大切さを伝えていけたら」と話した。
 

 

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