障害者の自立支援等を目的とした「Nico’s Kitchen」をオープンしたNPO法人代表 小木曽 正子さん 下土棚在住 49歳
障害者の可能性を信じて
○…「障害者の可能性を見つける場所にしたい」。接客、調理、レジ、買い物など社会生活をする上で必要な様々な作業にチャレンジできるカフェレストランの運営に挑戦する。飲食店にこだわったのは多岐に渡る業務があることに加え、地域との交流が生まれるから。障害はあるが、天真爛漫で人懐っこい長女の働く場としてのイメージを形にした。「社会参加の場にしたかった。ここで人と触れ合い働く練習をしてどんどん一般企業にステップアップしてほしい」と希望を語る。
○…「長女が私を強くしてくれた」と自信あふれる顔つき。今年19歳になる長女は知的と身体の障害がある。その事実を知った時「泣いてしまったらこの子の存在を否定してしまう」とこらえた。またその後は手術の連続で、障害のあるなし関係なく「生きてほしい」と命と向き合う毎日だったという。その子育ての中、福祉について学び、支援に関わるようになった。市内小学校の障害児の医療ケアの実現はその一つ。長女を一般の小学校に通わせたいとの母の思いで訴え、社会を変えた。
○…現在は長女と中学2年生の次女との3人暮らし。今は店の運営で忙しいが、時間がある時は一緒にボウリングや公園などに出かける。「3人でごはんを食べたり、笑ったりする日常が楽しい」と穏やかな笑顔を見せる。
○…座右の銘は2つ。「問題は問題として解決し、悩みにかえない」「不運に見舞われても不幸になってはいけない」。共通するのは壁を乗り越えて先に進むということだ。この店は通過点とも。かつて放課後デイサービスで遊ぶ場を、今回は働く場をつくった。次は住処づくり。「グループホームのような場所をつくりたい」。実現がすでに見えるような活力ある目でそう語った。
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