太平洋戦争中、戦闘機「はやぶさ」で飛行操縦を務めた北島令司さん(95)=鵠沼神明在住=が16日、鵠沼中学校で「命の授業」を行った。同校では毎年「命の大切さ」をテーマに行われており、体育館に全校生徒約750人と保護者、地域住民が当事者の戦争体験に耳を傾けた。
北島さんはパイロット養成学校へ通い19歳で出征。主に特攻隊の護衛と誘導の役目を務めた。「今では信じられないことだけど、自分の命が日本を守る。その死が家族の誇りであり幸せと教育を受けた。日本中がそういう雰囲気だった」と振り返る。自身も「早く戦争に行って活躍したい」と思いが強く、村中祝福ムードの中、戦地に送り出されたという。
出発前母が「帰ってこいよ」とくれたお守りは、戦争中、飛行機が海に着水し生死をさまよった時にも持っており、「母親は特別な存在だった」と話した。
戦争で多くの仲間が亡くなり「なんで自分だけ生きているのだろう」と思いつつ故郷に帰ってきた時、母親に大きな声で泣きながら抱きしめられ迎えられた。そこで初めて「帰って来ることができてよかった」と生きていることの大切さを実感。待ってくれていた母への感謝の気持ちが一気にこみ上げた。「身内や家族を悲しませないために、どんなことがあっても命だけは大切にしてほしい」と訴えた。
話を聞いた生徒会長の戸田葉月さんは「戦時中の生の話を聞いて、特攻や学徒出陣にはたくさんの人の生きる力が込められているということが分かった」と感想を述べた。
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