全国中学生人権作文コンテストの県大会で最優秀賞を獲得した 宮崎 碧(あおい)さん 市内在住 14歳
認め合うことが大切
○…作品名は「六組さんが気付かせてくれたこと」。片瀬中学校で出会った特別支援学級の男子生徒から教わった、相手を認めることの大切さや人との接し方に気付かせてくれたことへの感謝を作文に落とし込んだ。夏休みの宿題で初めて取り組んだ、原稿用紙4枚半の力作は実に8万点を超える応募の中から、最優秀賞5作品のひとつに選ばれた。「自分にとって思い出に残るエピソードなので、賞をもらえてうれしい」と笑顔で話す。
○…「六組さん」は親しみを込めて呼ぶ特別支援学級生徒の愛称。席が隣だった男子生徒は積極的で、気付けば席の周りに人が集まっていた。だが、ある日転機が訪れる。臨時集会が開かれ、隣のクラスでのいじめが判明。不意に心がチクリとした。自分の学級ではいじめにはならなかったが、同じ質問を繰り返す六組さんに対して、「もう聞いた」と流す人が増えていた。「自分も、その一人だ…」。その時の反省が人との接し方を改めるきっかけになった。
○…2年生でも六組さんと再び同じクラスになり、「何度同じことを聞かれても、普通に接するんだ」。すると、それまで気付かなかったことが見えるようになった。体育祭の練習でコースの説明をするうち、「足が速いと分かって、クラスが団結した」。互いを少しでも認め合う。それがコミュニケーションの本質だと気付かされた。
○…今は中学3年生で志望校合格への勉強に励む日々を送る。合間で好きなテレビや映画を観たりという中学生らしい一面も顔をのぞかせる。高校では好きな英語をより深く勉強し、大学ではニューヨークへ留学することを目標に過ごしている。「彼に出会って自分の価値観が変わった。社会に貢献し、人に必要とされる人間になりたい」