石川にある重度重複障害者の生活介護事業所「湘南マロニエ」(伊澤興子理事長)で1月11日、成人式が行われた。今年は施設を利用する水上竜司さん、花房結加さんの2人が門出を迎え、家族や利用者、職員、地域の人など約100人が祝福した。
成人式は27年前、伊澤理事長の夫で前理事長の潔(きよし)さんが市の成人式に参加しにくい利用者のために「日本一の成人式をやろう」と発案。以来、新成人がいる年は毎年、職員やボランティアが協力して実施している。
式典では伊澤理事長が「大人になった喜び、自覚、責任を心に留めて、堂々とした素敵な大人になってください」とあいさつ。詩人、相田みつをさんの「幸せはいつも自分の心が決める」の言葉を贈り、会場は祝賀ムードに包まれた。
保護者のあいさつでは「辛いことはたくさんあったが、周りに支えられてここまでやってこられた。今日というめでたい日を元気に迎えることができてうれしい。周囲の方々に心から感謝」と両者が謝辞を述べた。
花房さんの母、輝江さんは「体重がなかなか増えなかったり、この先何が起こるのか分からず朝が来るのが待ち遠しいときもあった。えくぼがあって笑顔で生まれてきたように見えた結加と、これからも笑って過ごしていきたい」と話した。
水上さんの母、栄子さんは「出産してから毎日違う病気が見つかり、入退院の繰り返しで目の前を生きるのに必死だった。今こうして笑って過ごせていることがとても幸せ」と涙ながらに語った。
そのほか関係者から花束や記念品などが贈呈され、幼少期からの写真を音楽にのせて流す「思い出のスライドショー」の上映が行われた。また、職員9人による和太鼓の演奏や利用者でお祝いの食事を囲むなど、にぎやかに新成人の門出が彩られた。
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