30年に渡って地域の子どもたちの交通安全教室を続けてきた 平井 仁さん 亀井野在住 70歳
純粋な笑顔を守るために
○…市内の子どもたちの交通安全指導を30年余り続けてきたが、この3月末で退く。最近では年間200回を超える教室を開き、2万人以上の子どもたちを指導。のべ人数となると数十万となる。まさに藤沢の「交通安全の父」だ。また過去参加した子どもたちが親になり「昔、指導を受けました」といううれしい声も増えていた。そんな中での引退に、後ろ髪を引かれる思いはあるが「やりきった感はありますね」と誇らしげ。
○…市交通安全課の非常勤職員。今でこそ手法が確立されている同教室だが、入庁当時はノウハウも少なく、一つひとつが手探り。「県や他市にたくさん見学にいって大変だった」と振り返る。また個人では子どもたちの興味を引くための手品も習得。今では手品のみで招かれることもあるという。そんな仕事ぶりの原動力は子どもたちの純粋さ。「おじちゃんって言って寄ってきてくれる子どもたちの笑顔を守るためなら、でしたね」と充実した顔を見せる。
○…生まれも育ちも藤沢市。学生時代は「ちょっとだけやんちゃ」と苦笑い。高校ではサッカーで活躍。関東大会にも出場し、今でもメンバーは大切な友人だ。また、ここまで頑張れたのは「妻がいてくれたから」と照れくさそうに感謝を口にする。「今度、一緒に旅行にでも」と恩返し計画もあるようだ。
○…「交通事故防止に特効薬はない」というのが長い経験で得た教訓。だからこそ「保護者には、年に1回の教室をきっかけにお子さんとたくさん対話をして安全意識を身に着けさせてほしい」と訴える。教室からは身を引くが「これからも子どもたちを見守っていきたい」と話す口ぶりはまだ熱い。70歳とは思えない元気もある。第二幕は近いのかもしれない。
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