明治末期から昭和初期にかけて、別荘に出入りする職人や仕事師らに配られた「鵠沼の印袢纏(しるしばんてん)」が1日、市の重要文化財に指定された。今回で市の重要文化財は計80件になる。
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指定されたのは、鵠沼郷土資料展示室運営委員会が所有する37点。商家の使用人などが着用していたものと同様、藍色に染め抜いたはんてんの襟や背中に屋号や家紋があしらわれている。
同会副委員長の内藤喜嗣さん(83)によると、はんてんはいずれも寄贈されたもの。鵠沼で別荘文化が花開いた当時、屋敷に庭師や商人が御用聞きなどで出入りしており、身分を証明する「通行証」としての役割を果たした。だが、戦争が始まると物資と交換するためその多くが処分されたこともあり、良好な保存状態で往年の文化の一端を伝える貴重なものという。
市民センターで指定記念特別展
今回の指定を記念した特別展「鵠沼海岸別荘地で生まれた印袢纏文化と電話回線事情」が同展示室(鵠沼市民センター内)で開かれている。会場では別荘以外にも商店や旅館、職人のはんてんを一堂に展示。往年の電話回線事情もパネルを交えて紹介している。
8月15日まで。入場無料。開館は午前10時から午後4時。問い合わせは同館(鵠沼市民センター内)【電話】0466・33・2001へ。
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