地域経済の低迷や郊外型大型商業施設の台頭で、商店街が苦境に立たされて久しい。特に役員の担い手不足や会員数減少による運営難は顕著で、藤沢駅周辺だけでもここ数年で2つの商店街が姿を消した。そうした中、地域の若手が新たなアイデアで街を盛り上げているケースもある。1年前、らんぶる商店街で始まった青空市「Markesta(マーケスタ)」だ。
晴天に恵まれた先月24日、駅南口から徒歩1分ほどにある同商店街の一角は、通りを往来する多くの人で賑わっていた。焼き立てのピザを提供する店、ハンドメイドの雑貨を販売する店、似顔絵やプログラミングの体験教室を開く店、様々だ。
運営するのは、商店街に所属する30代の若手店主ら。カメラマンやデザイナーなどそれぞれが専門性を活かし、春と秋の年2回、手作りでイベントを作り上げている。
売りは、個店ごとの商品やサービスの質の高さ。実は約30店舗中、商店街加盟店は2割ほど。あえて地元だけにこだわらず、商品力に自信がある商店街以外の店舗でも参加を可能にした。
それが功を奏し、昨年4月の初開催時には店舗関係者を中心に市外からも来客があり、その後口コミで右肩上がりに増ええていった。「皆この日に向けて店を作り込んでくる。それがマーケット全体としてのクオリティーの高さにつながっていると思う」。実行委で、セレクトショップを経営する小柳洋太さん(39)は説明する。
一方、商店街側も若者の発想を歓迎ムードだ。同商店街会長の小栗誠さん(51)によると、商店街加盟店はかつて100近くあったが、10数年で45にまで減った。「店舗数が少ないとできることも限られる。今まで欠けていた世代が積極的に盛り上げてくれるのはありがたいこと」。イベントへの出店を希望する店主もいるといい、「まちぐるみで盛り上がるきっかけになれば」と期待する。
今後について、「まずは『らんぶる街』という名前をブランド化できれば」とメンバーら。多くの人が足を運べば認知度が高まり、商店街にある店舗にも波及効果が生まれるはず。さらに将来的には、「別の場所でもマーケットを展開して、活性化のプロデュースのようなこともできたら」と青写真を語った。
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
御所見でスマホ相談4月23日 |
|
|
|
|