きょう19日からパッチワーク作品で初の個展を開く 太田 章子(あやこ)さん 円行在住 75歳
パッチワークに魅せられて
○…様々な大きさ、色、形の布片をつなぎ合わせ、表布と裏布の間に綿を重ねて縫うパッチワーク・キルト。始めて40年、初の個展を開く。テーマは「和布に魅せられて」。友人から譲り受けた着物や帯、風呂敷などを再利用し、掛け軸やタペストリー、ベッドカバーなどに変身させる。「しまわれていた着物たちも再び使われることになって喜んでいると思う。主役の柄を最大限に引き出せるように周りの布の色や柄をパッチワークで工夫しました」と穏やかに話す。
○…3カ月かけて制作した大作「牡丹」は、琴の演奏者だった友人の母親が春の演奏会で着ていた舞台衣装を、掛け軸に変身させたもの。「しわやゆがみがあって、愛用していたことが分かる。その一つ一つが作品の味になる」。牡丹をふっくら見せるため、一緒に使われていた帯を背にキルティング。両面から楽しめる作品に仕上げた。そのほか約40点の思いのこもった作品を披露。「和布にたくさん触れて、日本の古き良きものを再確認することができた」と振り返る。
○…大阪府生まれ。手芸が得意な母親の影響を受け、幼い頃から、人形や妹の洋服を作っていた。結婚を機に藤沢に引っ越し「趣味で作っていた人形に洋服を着せたい」と思い、近所で開くパッチワーク教室に通うようになった。「楽しくて楽しくて、どんどんはまっていっちゃって」。参加するうちに講師の助手として、制作だけでなく指導にも取り組むようになった。
○…現在は湘南台と辻堂公民館のサークルや自身が主宰する市内の教室、東京の下北沢など5カ所の教室で講師を務める。「40年間、和やかな仲間と一緒に、好きだから続けてこられた。これからも楽しんで続けていく」。制作意欲は尽きることはない。