第54回神奈川県看護賞を受賞した看護師 春日 慶子さん 湘南中央病院勤務 62歳
あったかい看護 次世代に
○…「看護師を続けることができる環境を作ってくれている周囲に感謝」と喜びを噛みしめる。約40年、看護師として勤め、新病院の設立や緩和ケア病棟の立ち上げに寄与し、病院や看護部の運営に貢献。看護職の教育・育成にも尽力したとして、このたび「神奈川県看護賞」を受賞した。
○…看護師の姉の影響で看護の道に進んだ。以前は、事務として会社勤務をしていたが「デスクワークは性に合わないな」と思い、看護専門学校に通い始めた。「人と関わるのが好きで、人間を知りたいという好奇心もあったので自分に合っていたのかも」と振り返る。結婚を機に藤沢市へ引っ越し、たまたま隣の住人が湘南中央病院の職員という縁で、勤務を始めた。
○…同院は2006年、診療から看取りまで医療サービスを提供する「ケアミックス型」の新病院を設立した。合わせて最期まで生きる場所と言われる「緩和ケア病棟」も立ち上げた。「院内や地域の方々など、みんなが望んで作ったものだったので継続できるように、当時の看護部長と協力しながら院内の動きをまとめるのに尽力したつもり」と顧みる。一方で、県看護協会の教育研修委員に抜擢され、研修の企画・運営を受け持ったり、湘南看護専門学校の非常勤講師を務めるなど人材育成にも多いに携わった。「教育や指導を次世代に還元してくれたら」。長年の様々な活動歴が今回の受賞につながった。
○…現在は理事・副院長兼看護部長を務める。近年は管理主体だが、看護師やスタッフから仕事やプライベートのことを相談されやすい。「スタッフのケアも大事。必ず声をかけて話を聞くのは欠かさない。心の充実がいい仕事につながるからね」。モットーの”あったかい看護”を次世代に伝えている。