海洋汚染が世界的に問題になっているプラスチックごみの削減を呼び掛けようと、今春、藤沢ゆかりのプロダイバー、武本匡弘さん(64)が市内にエコストアを開店させた。扱うのはいずれもプラスチックを使用しない生活用品や量り売りの食材。国内では珍しい取り組みだが、「使い捨てプラスチックが当たり前の生活を見直すきっかけにしてもらいたい」と話している。
「『使い捨てない意識』共有を」
藤沢駅南口徒歩3分ほどにある「エコストア パパラギ」。15坪ほどの店内には、植物繊維のスポンジや竹製のコップ、布と蜜蝋でできた「エコラップ」など、天然素材の生活用品が並ぶ。
プロダイバーとして30年以上、海と向き合ってきた武本さん。日本だけではなく、世界で深刻化する海洋汚染の実情を目の当たりにしてきた。
4年前には調査を目的にヨットで太平洋・ミクロネシア海域の航海を開始。上陸した島の砂浜一面に広がるプラスチックごみ、航海中常に海面に浮かぶペットボトル。帰国後、講演会などで海洋汚染の現状を伝える傍ら「陸での基本的な生活を見直す場所を作りたい」とオープンを決意した。
遅れるごみ対策
「海外では多くの国で今やレジ袋を使わないのが当たり前。日本は対策が圧倒的に遅れている」と武本さん。環境省によると、レジ袋規制に関しては約70カ国が使用を禁止したり、有料化するなどの制限を設けている。国内では一部商業施設が有料化に乗り出しているほか、政府もプラごみ排出量を2030年までに25%削減する目標を掲げる。ただ現状では使い捨てごみに対する理解が浸透しているとは言い難い。
そうした中で武本さんは同店を「プラスチックフリーを形にする場」と位置付ける。レジ袋はもちろん使わず、オーガニックの米やナッツは量り売りで紙袋詰めし、生分解する洗剤は瓶を再利用。プラスチックや農薬、化学物質を使わないことに徹底的にこだわった。
オープンから1カ月。利用客の中にはタッパーやエコバッグを持参する人もいるといい、初の取り組みに「手応えを感じ始めている」。今後は「将来的には全国に運営モデルを広げていきたら」と展望を話した。
問合せは同店【電話】0466・50・0117へ。
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