藤沢市の職員でセーリングすごろくを考案した 海上(うなかみ) 知哉さん 西富在住 30歳
レースの魅力、楽しく熱く
○…「子どもたちにセーリングの魅力を楽しく、わかりやすく伝えたい」と企画した「セーリングすごろく」。昨年7月から動き出し、いかに実際のレースに近づけるかにこだわり苦労した。それだけに、大盛り上がりでゲームする子どもたちを見たら、「うるっときた」とも。
○…昨年4月に藤沢市東京オリンピック・パラリンピック開催準備室へ異動した。当初は子ども向けのセーリング紹介冊子を作成する予定だったが、「文字ばかりでは、子どもたちは読まないだろう」と方向転換。若手職員たちと話し合いを繰り返し、ゲームにたどり着いた。しかも「セーリングの本質も理解できるもの」とのこだわりで、サイコロではなく、海上のように左右の動きを基本にした。昨年11月には試作品で遊んでもらい、子ども目線のアドバイスが大いに役にたった。「一緒に作ったような気持ち」とにこやかに語る。
○…鎌倉市で生まれ育った。中学高校はソフトテニス部で、海には海水浴に行く程度だった。大学入学後、その苗字から誘われたのがセーリング。「最初は先輩に言われるがまま操縦していたのが、次第に理解できるようになり、知略の部分に魅力を感じた」と話す。ウインドサーフィンやスタンドアップパドルなど、今でも週末は海だ。
○…卒業後都内の企業に就職するも、「マリンスポーツの魅力を行政側から伝えたい」と、2015年に藤沢市に入庁。セーリングの普及啓発のほか、海外選手と藤沢をつなぐ文化交流も担当している。「英語は全然話せないけど、セーリングをやっていたと話すと一気に距離が縮まる」と笑う。1年後の東京五輪。「今が最大のチャンス。多くの人に関心をもってもらいたい」と熱いまなざしで語った。