ねっとりとした食感で上品な甘みが特徴の「鵠沼かぼちゃ」。地元農家で昔から作られている農産物が近年、減少傾向にある。生産にかかる手間や担い手不足、畑面積の減少が背景にあるようだ。
JAさがみ米ディハウスくげぬまの職員によると現在、生産者は辻堂元町に畑をもつ山口貞雄さん(70)と鵠沼桜が岡の関根栄一さん(56)の2人。「不要な脇芽をとる作業がすごく大変」と両者は口を揃え、「昭和30年代ごろは10軒ほど農家があったけど、栽培に手間暇がかかるからね。労力的にも限界があって減っていった」と山口さんは話す。
鵠沼かぼちゃは、身が小ぶりで皮が黒く、栽培時期の早い「日本かぼちゃ」の品種。一般的な西洋かぼちゃに比べ販売期間が短いため比較的値段も高い。また、暑さに弱く、「毎年、地温や気温、風など細かい管理が必要なので栽培は難しい」という。
さらに1畳分の広さに1本の苗を植え、収穫できるのは6個程度と生産効率も良いとは言えない。後継者も減り、畑の面積も減ってきていることから、より希少とされてきた。
海岸に近い鵠沼は、砂地で保温力が高く、冬も無風にならず、風通しも良いことから、かぼちゃ栽培に適した土地という。
「満足いくものはなかなかできない。毎年試行錯誤して、次こそはという思いで育てている」と2人は思いを込める。
これまで山口さんは50年、関根さんは約30年、栽培を続けてきた。「毎年生産を途切れさせたことは無い。これからも継承していかないと」。地域の名産を残していくことが、2人が栽培を続ける原動力だ。
5月下旬から出荷され始め、旬は6月中頃。7月上旬まで販売予定。2人のかぼちゃは同JA(本鵠沼2の7の1)に卸されている。
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