第101回全国高校野球選手権神奈川大会は先月28日、横浜スタジアムで決勝戦が行われた。24年ぶりの夏の甲子園出場を目指した日大藤沢は、4年ぶりの制覇を狙う東海大相模に24対1で完敗した。
試合は2回、一死三塁から内野ゴロで1点を先制されると、続く3回、4回には先発したエースの武冨陸選手(3年)がつかまり9失点で降板。救援した渡邉一生選手(1年)、柳澤大地選手(3年)も流れを止められず、4回までに14点の大差をつけられた。日大藤沢は5回に3番石川喜隆選手(3年)の適時打で1点を返すが、反撃はそこまで。5投手で24失点、2失策も絡んで悔しい敗戦となった。
山本秀明監督は「相手にならなかった。打倒サガミを目標にしてきたので、最高の舞台だったが、力を発揮できなかった。打線の強さを抑えきれなかった」と脱帽した。
気迫のプレー最後まで
「とりあえず1点取ろう」「攻めていこう」「気迫で負けるな」。大差がついても日大藤沢の選手たちの大きな声は途切れることはなかった。最後のワンアウトまで、気合の入ったプレーを続け、互いを鼓舞する声がグラウンドに響いていた。
昨夏、上級生が引退し、新チームとして掲げたスローガンは「気迫で押し勝つ」だった。甲子園出場を目指し、技術を磨くと同時に、強い精神力を培おうと練習に取り組んできた。だから、序盤から点差が開いたこの試合でも、落ち込まず選手、スタンドの部員も「気迫」の声を出し続けた。
主将の森田克選手(3年)は「本当に最後まで諦めず、気迫を出し戦えた。結果が出ず悔しいが、勝ち上がってきたことが成長だと思う」と語った。
悔しさをバネに
試合後、山本監督は大敗のスコアを練習グラウンドに張り出そうと選手たちに伝えた。「サガミに勝つには、すべてにおいてレベルを上げないと。選手の意識を高めてほしい」
選手たちにもその気持ちは通じているようだ。今大会2本塁打の牧原巧汰選手、4番として打線を引っ張った姫木陸斗選手は共に2年生。「この点差を縮めるために練習して、必ず来年この舞台に戻ってきたい」とリベンジを誓った。
プロ直伝の変化球武器に
日大藤沢の快進撃を支えたエース武冨投手。1年夏から期待されベンチ入りするが、昨夏は初戦敗退。冬のトレーニング期間に山本監督から「またお前で負けるのか」と厳しい言葉をかけられながら、それをバネに成長してきた。
2年生から同監督の実兄で元中日ドラゴンズ投手の山本昌さんが特別臨時コーチとなり、変化球ツーシームを教わると、それを武器に粘り強い投球でチームを決勝に導いた。「監督、昌さん、チームメイトにも感謝しかない。後輩たちにリベンジを果たしてほしい」
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