村岡地区に立地する健康・医療関連の研究開発拠点「湘南ヘルスイノベーションパーク」(湘南アイパーク)で先月24日、認知症をテーマにした座談会が開かれた。同施設を拠点に他業種の民間企業や団体が連携する「湘南会議」が第2期の臨時会合として開催。認知症ケアに関するビジネス化を検討する新聞社や保険会社など4社の関係者が当事者や介護の専門家を交えながら糸口を探った。
当事者として登壇したのは、寒川町在住の中村成信さん(69)。56歳の頃、難病に指定される前頭側頭型認知症を発症。それまで市役所で観光振興などに携わっていたが、診断のショックから自宅に引きこもるようになったという。
当事者として訴えたいのは「何から何までしてほしくない」ということ。中村さん自身も一時は活力を失ったが、趣味だった写真を契機に地域に仲間ができ、関係性の中で自分を取り戻していった。「できることは自分でできるし、やりたい。認知症という言葉だけで括らないでほしい」と話した。
この日は独自のケア方法で福祉施設を運営する(株)あおいけあの加藤忠相代表も登壇。「ケアとは本来相手の生活がうまくいくよう『気に掛ける』こと。その人の人生に寄り添うケアが重要」とアドバイスした。
座談会後、湘南アイパークの藤本利夫ジェネラルマネジャーは「思い込みを押し付けてはいけないのだと再認識できた。今日出た意見を今後開発するサービスに生かしたい」と振り返った。
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