女子サッカーの普及に長年尽力する 秋元 けさ子さん 大庭在住 77歳
サッカーに恋して
○…県サッカー協会女子委員会の役員を20年以上務めるなど、女子サッカー普及に長年尽力。なでしこの選手も輩出した大和シルフィードなど、市内外数々のチームの立ち上げにも関わってきた。女子サッカーの試合では誰よりも大きな声援を送る、皆のお姉さんであり、お母さんだ。
○…楽しみなのは息子のサッカーの応援という「どこにでもいる普通のお母さん」だった。いつものように「そこでゴールだ」「なんで入らないの」と檄を飛ばしていると、監督から「経験者じゃないと難しさは分からない」との言葉。「じゃあ、サッカーやってみようじゃないの」。幼少期は「番長」のあだ名が付いた持前のリーダーシップと負けず嫌いに火が付き、県内初のママさんサッカーチーム「大庭レディース」立ち上げに繋がった。
○…当時ママチームは全国に5つほど。「試合に引っ張りだこでモテモテ」と冗談めかすも、女子スポーツ自体への風当たりは強く、大会開催の交渉にも、協会では「女のサッカーなんて」と話しすら聞いてもらえない日々。しかしそこで引き下がる気質ではない。試合に招き、男性相手に真っ向勝負の試合運びで「目に物、見せてやりました」とにんまり。実績が認められ、県サッカー協会初の女性役員入りを果たした。近年、すっかり仲良くなった元役員から「あの時は申し訳なかった、と言われた時は内心ガッツポーズよ」と呵々と笑う。
○…サッカーに恋して約50年。チームではゴールキーパーを担当し、指導者や審判のライセンスも取得した。3年前に脚を痛め、コート入りは難しくなったが、大切な試合には必ず足を運ぶ。老若男女に声を大にして呼びかける。「サッカーって、楽しいぞ!」