今春始まったNHKの朝の連続テレビ小説「エール」。主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而(ゆうじ)(1909〜89)は、日本歌謡史に残る名曲を数多く手がけたことで有名だが、藤沢小学校の校歌も作曲していた。同校には直筆のサインも残っている。
古関は、福島県出身。甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」、東京五輪の行進曲「オリンピック・マーチ」の生みの親で、「君の名は」「モスラの歌」など、昭和の一大メロディーメーカーとして生涯5千曲あまりを作曲した。その中でも全国で校歌・社歌を多く手がけており、藤沢小学校歌も古関によるものだ。この校歌は作曲だけでなく作詞も「青い山脈」「蘇州夜曲」「王将」で知られる西條八十(やそ)(1892〜1970)が手がけており、昭和の有名作家が共演している。
藤沢も度々訪問
2012年度から2年間、藤沢小学校の校長を務めた近藤淳子さん(72)によると、校歌は、東京五輪が開かれた1964年3月6日に新設した体育館の完成に合わせ制定されたという。
古関や西條が関わることになった経緯は、当時、PTA会長を務めていた三觜正一さんが、市内の芸能関係に詳しい知り合いを通じて、2人に校歌の作成を依頼した。古関は藤沢を何度か訪れ、小学校の様子や藤沢の景色を観察して作曲したという。
三觜さんの息子の忠さん(75)は、校歌制定当初は、社会人として藤沢を離れていたが、小学校に通っていた年の離れた弟から「新しい校歌ができた」という手紙をもらったことを覚えているという。
忠さんは、父・正一さんが亡くなり、家に保存されていた古関のサイン入りの色紙を数年前に藤沢小学校に寄贈。今でも同校の校長室に飾られている。古関の色紙の隣には、西條が書いたものとされる色紙も飾られているが、誰がどのように入手したかは不明という。
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