インタビューに答える片山会長
６月４日から10日までは「歯と口の健康週間」。コロナ禍の中の歯科治療について、藤沢市歯科医師会の片山正昭会長に聞きました。
--新型コロナウイルスへの感染が不安で、歯科医院へ行きたいけれど受診を控えているという人が多いようです。
まず、歯科医院は感染リスクが高いということはありません。そもそも、歯科医院では新型コロナウイルス以外にも多くあるウイルスや細菌などへの感染防止のために、普段から予防対策を行っています。
インフルエンザやノロウイルス、風しんなど、身の回りには感染を引き起こすウイルスや細菌などが多く存在します。歯科医師は、その予防対策として普段から、手袋やマスク、ゴーグルをして治療にあたり、医療器材の洗浄・消毒・滅菌を徹底しています。このような「標準予防策」に加え、飛沫を防ぐフェイスガードや口腔外バキュームなどを導入し、新型コロナウイルス対策を行っています。
神奈川県歯科医師会の調べでは、同会所属の歯科医院では、これまで歯科医師、歯科衛生士らの新型コロナウイルスへの感染、また歯科治療で患者さんへうつしたという報告はありません。
--受診控えによる健康への影響を教えてください。
この社会状況では、緊急性のない治療は控えていただくように伝える場合もありますが、不急ではない歯科治療や口腔ケアが放置されてしまうのは大きな問題です。
インフルエンザに関する研究で明らかになっていますが、口腔ケアをしっかり行うことで、ウイルス感染を起こしにくくなります。また、よく噛めない状態を放っておくと、偏った食生活になり、結果的に免疫力を落とし、ウイルス感染、または重症化のリスクが高まります。よく噛める状態にしておくことが、免疫力の低下を防ぐことにもつながります。
--歯科医院へ行くときに注意することはありますか。
歯科医院は通常、予約制ですので、気になることがあれば遠慮せずに相談してください。
神奈川県歯科医師会では、今後、少しずつ通常の生活を取り戻す中で「７つのお願い」と題した指針を提唱させていただいています。日ごろの生活や通院の際の参考にしてください。
《【1】マスクをしてください【2】手を洗ってください【3】（熱がある咳が出る時は）無理をせず家で休んでください【4】うがい・歯みがきをしてください【5】むし歯を放っておかないでください【6】メンテナンスは継続してください【7】かかりつけ歯科医に相談してください》
どれも当たり前のようですが、大切なことになります。
藤沢市歯科医師会の会員歯科医院では、新型コロナウイルスへの感染予防対策をはじめ、医療従事者の健康管理も徹底して行っています。通院に不安がありましたら、遠慮なくかかりつけ歯科医に相談していただき、納得いく方法で治療を受けてください。治療を滞らせることなく、ともに健康を管理し、ウイルスに負けない健康状態を保ちましょう。
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