新型コロナウイルスをきっかけに働き方や生活様式が変容する中、地域経済も回復に向けた模索が続いている。果たして”処方せん”はあるのか。各業種や団体関係者に話を聞いた。
――先月19日には都道府県をまたぐ移動の自粛要請が全面解除されました。市内観光、特に江の島の状況はいかがでしょう。
「19日を境にお客様の足は戻りつつありますが、消費自体は従前の6割といったところで、依然厳しい状況が続いています。自粛解除になってもコロナがなくなるわけではありませんので、今後劇的に改善するとは考えづらい。元の状態に戻るには1、2年はかかるとみています。お客様を迎える観光地としては、感染症対策にしっかり取り組みながら、できることをやっていくしかありません」
――具体的な対策は。
「疲弊した観光業界を回復させるためには、スピード感を持って、新たな取り組みを行う必要があります。コロナの今後が見通せない中では早期の仕掛けが難しいのが実情ですが、例年3月に開催している体験型謎解きイベント『エノシマトレジャー』の『秋版』を開催する予定です。規模は未定ですが、8月下旬をめどに実施できればと考えています」
――長期的な目線で考えていることはありますか。
「隣の鎌倉市観光協会など、観光協会間の横の連携を強化していきたいと考えています。例えば、江の島と鎌倉の両エリアは江ノ島電鉄でつながっており、両方を観光する人もたくさんいる。また、寺社仏閣や史跡などの共通項も少なくありません。そうしたものをつなぐイベントなどが実現できれば、これまでにない価値が生まれ、新しい人の流れも期待できるのではないでしょうか」
――来年には延期になった東京五輪セーリング競技も予定されています。
「五輪開催は観光面でも大きな活力になります。またいわゆるレガシー(遺産)をその後にどう結びつけるかも課題です。これは私個人の夢のようなものなのですが、いつか江の島の歴史資料館のようなものができたらと考えています。鎌倉に匹敵する歴史と風光明媚さがあり、五輪が2度開催された他に類を見ない場所。歴史に光を当てることで、これまでなかった付加価値が生まれると思うのです」
――今後への抱負を。
「昨年、藤沢市を訪れた観光客数は過去最多の約1929万人で、2千万人まであと一歩というところでした。難局は続いていますが、3年後くらいには鎌倉、箱根とともに『2千万人御三家』に仲間入りしたい。藤沢・江の島にはそのポテンシャルがあると信じています」
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