部員一人ひとりが試合の振り返りなどを記録する「野球ノート」、そして言葉の力を大切にしてきた主将の河上明来海(3年)。1回に2ページびっしりと書くこともあり、榊淳一監督からは「真面目で努力を怠らず、向上心がある」と信頼されている。
1学年上は秋県ベスト8、春はシード校出場を果たし健闘。だが世代交代すると監督から「軸になる選手がいない」と宣告を受け、主将なしでの異例のスタートになった。オープン戦では緊張から顔を真っ青にしてマウンドへ。ノートに「経験を積めば落ち着ける」と記し、自身を奮い立たせて克服した。
しかしチームは秋地区予選で、試合を途中で投げ出す姿勢が散見されていた。気の緩みに危機感を覚えた年明け、当番制の学年日誌に記したのは「チームを盛り上げられる声掛けをしていこう」。自分が書いたからにはやらなくては、と覚悟が決まった。監督から主将に指名されたのは翌2月のことだった。
全力で野球に身を投じる中で出会った将来の目標は記者。「大好きな神奈川の高校野球の魅力を発信したい」。本はあまり読まないというが、小学生の頃から愛読している日刊紙のスポーツ面と地域面は、練習が忙しくなった今も毎日欠かさず目を通している。
春の大会が中止になっても「最後の夏の希望の灯は消すな」と代替大会開催を信じて自主練に励んだ。主将として何ができるか―。選んだのは選手一人ひとりと対話することだった。モチベーションを保ったチームは、県ベスト4を目標に掲げる。「携わって下さった全ての方々に感謝し大会で恩返しができるよう、自分のため、チームのために全身全霊でプレーしたい」。力強く言葉にした。
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