藤沢市は先月28日、不動産などの業界代表者や市民代表ら15人で構成される「空家等対策協議会」を発足した。増加する空き家対策などを今後協議する。空き家の除去・解体費用の助成検討や、「空家ニュースレター」の発行などの案を盛り込んだ「藤沢市空家等対策計画」の来年度策定を目指す。
市はこれまで行政主体で空き家問題に取り組んできた。官民が連携し問題に取り組む協議会は初となる。背景には、空き家問題を取り巻く状況の変化がある。
住宅政策課によると、現在市内には適正な管理がされていない空き家が約1000件あると想定している。これまで市には、伸びた樹木や雑草の越境や、台風などで屋根や壁材が飛散するなどの苦情が近隣住民から寄せられている。また、火災や害獣発生など地域防犯、衛生の懸念もある。
同日開かれた初会合では、具体的な施策の柱として、これまでの「適正管理」「利活用」に「発生抑制」を加えた骨子案が示された。2016年に策定した「空き家対策基本方針」に代わり、21年度から10年間、市の空き家対策に対する方針となるもので、今後具体的な協議が進められる。
制度の見直しも
市はこれまで、トラブルの発生した空き家の所有者に適正管理を促す連絡を行い、改善が見られず周囲に大きな悪影響をおよぼす物件を「特定空家」として認定し、対処する方針を取ってきた。また、補助金制度を設け、店舗など空き家の利活用を促進する事業にも取り組んできた。
しかし、所有者不明など行政の取組だけでは解決できない物件も多く、これまで市が認定した「特定空家」は3件、そのうち解体済となったものは2件に留まる。
利活用においても市を介しての実績は0件となっていた。同課は「藤沢市は不動産価値が高いとされるエリア。空き家で店舗を始めたいという声は多いが、市を介して空き家を提供する人は少ない。民間でやり取りし利活用に至った例はあり、制度自体の見直しも必要」と話す。
さらに、空き家予備軍となる単身高齢世帯も増加する中、空き家の発生抑制も新たな課題として浮上していた。
同課は「官民連携が課題解決の活路になれば」と話した。
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