湘南台駅地下広場を活用を目指す「湘南台アートスクエアプロジェクト」代表 今野 隆司さん 湘南台在住 83歳
定年後も「さぼっちゃいけない」
○…1日10万人以上が利用する駅の地下広場を、音楽や絵画などアートの発信拠点にしようと活動する。ストリートピアノのライブを皮切りに、アート空間を作り上げる資金集めのクラウドファンディングも始めた。昨年のスタートから1年余り、地域や行政と協力しながら準備を進めてきた。「かつてホームレスの問題が深刻だった地下広場を、市民を楽しませる場所に生まれ変わらせたい」と意気込む。
○…地域活動20年以上の大ベテラン。がんを患い療養のため会社をリタイアしたが、「さぼってられない」と自治会長を務めたことをきっかけに、あれよあれよと会長職が増えた。その中には毎年の風物詩として親しまれる灯籠流しや、子どもたちに竹の子堀りを楽しませる円行公園竹林の会、さらには市民シアターの第九を唄う会など地元名物の団体も多い。すでに会長を退いている団体もあるが、文字通り地域の顔として活躍。多忙だが「大変、と思ったことはない、とにかく楽しいよ」と満面の笑み。人と触れ合い、地域に貢献することに生きがいを感じている様子だ。
○…山形県寒河江市生まれ。大学入学に合わせて上京。就職は新聞の印刷などに使われる大判のフィルムの販売会社で、専務取締役まで上り詰めた「できる人」。苦労話よりは「ゴルフが楽しかった」などと笑顔の話が口をつく。夫人とは幼馴染で、ともに上京。「山形の友人全部共通で話があう」と今もオシドリだ。
○…湘南台に住んで30年。地域課題解決を進めてきたキャリアの中で、このプロジェクトは集大成と考えている。「団体の中心を担う女性の活躍も素晴らしい」と目を細め、「最後のプロジェクトとして楽しんでいきたいね」と語った。