市内の小学生らにふじキュンのイラスト入りマスク8千枚を寄付した 福島 進さん 江の島在住 69歳
子どもに笑顔届けたい
○…「せっかくピカピカの1年生になったんだから、少しでも気分を明るくしてほしいからね」。感染症拡大で休校や行事の中止など様々な影響を受けた小学1年生のため、市の公式マスコット「ふじキュン」のイラスト入りマスクを自費で製作。「ダウン症の息子がお世話になったから恩返し」と白浜養護学校と藤沢養護学校の生徒全員分を合わせ、1人2枚ずつ合計約8千枚を市と県に贈呈した。
○…江の島でガラス細工などを販売する老舗土産物店「福島屋物産」の代表取締役。言い伝えでは16代目になり、先祖代々430年に渡って江の島を見守ってきた。その歴史の中でも「異例」と言えるコロナウイルスの感染症拡大。緊急事態宣言下で店は休業し、解除後も外国人観光客が約7割減。売り上げは最盛期の25%程度まで落ち込んだ。「2カ月間売り上げはほぼゼロだった。かなり厳しかったよ」と振り返る。
○…さらに悲劇が襲う。3月20日早朝、急にろれつが回らなくなり救急搬送され、左半身麻痺の脳幹梗塞と診断された。「タイミングが重なっちゃってね。でも病院生活で布製のマスクの必要性を身をもって実感した」。入院中、フェイスブックなどSNSを駆使し、取引のあるベトナムの工場とやりとり。オリジナルマスクの生産にこぎつけた。今では人気商品として店頭やネットで販売している。
○…子どもたちとは島内の伝統行事「ててんこ太鼓」を教えるなど交流も深く、”ててんこおじさん”の愛称で親しまれている。ほかにも民生委員児童委員や江の島観光会の監事理事を務めるなど、江の島や藤沢市の発展に貢献している。「子どもたちは未来を担っているからね。元気が一番」とほほ笑んだ。
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