藤沢市は8日、総額約2777億8100万円の2021年度当初予算案を発表した。社会保障関連費の増加などを背景に、一般会計は前年比5・5%増の1562億6800万円で過去最大規模。新型コロナ対策には約17億円を計上した。財政事情が厳しさを増す中、事業見直しや財政調整基金の取り崩しで収支均衡に腐心する編成となった。
歳入では、全体の半分を占める市税が前年比4・9%減の778億7900万円。法人市民税が約22億4200万円、個人市民税が約14億8200万円で、それぞれ前年を下回った。
市債は83・5%増の79億5800万円。北部環境事務所のごみ焼却炉建設にあてる整備事業債(30億6100万円)が押し上げた。国の交付金や繰越金で積み上げ、年度末残高の見込みが約136億円だった財政調整基金は52億円取り崩す。
歳出では、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費が前年比6・2%増の約860億700万円。社会保障関連の扶助費は11・9%増の約481億7200万円で過去10年間、右肩上がりの状況が続いている。
財源確保に苦心
コロナ禍による市税収入の減少などから、市は昨年9月の予算編成で歳入が前年と比較し、約81億円減少すると試算。だが11月の予算要求の段階では、全体で約130億円の財源不足が生じることが判明した。
市はゼロベースでの事業見直しや先送りなど徹底した縮減策を実施。約90億円を抑制した一方で、あらゆる方策で財源を工面し、79・2億円を捻出。コロナ対策を最優先しつつ、収支のバランスを図った形だ。
貯金にあたる財政調整基金は52億円取り崩すが、今後の感染症対策や自然災害への備えとして、約84億円が確保できる見込みという。
デジタル推進など重点
新型コロナウイルス関連には約16億9700万円を計上。感染拡大防止に伴う検査体制や医療提供体制の充実、生活困窮者や地域経済への支援などを盛り込んだ。
市内飲食店に上限100万円を貸し付ける「つなぎ融資」(8千万円)は1月に専決処分。諸経費を含む新型コロナワクチン接種事業費(約25億1100万円)は2月補正予算で対応、当初予算案と合わせたコロナ関連費は計約44億円になる。
21年度予算案では、コロナ対策のほか、デジタル市役所・スマートシティの推進や教育、子育て支援、東京五輪のレガシー創出などにも重点配分した。
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