NPO法人「自由創造ラボたんぽぽ」の代表理事を務める 米澤 美法さん 辻堂在住 48歳
学校だけが全てじゃない
○…全国で18万人を超えるとされる小中学校の不登校の児童生徒(文部科学省調査)。一方、子どもたちやその保護者が安心して過ごせる「居場所」が足りず、孤立化しがちなのは、社会全体が抱える課題だ。「学校が難しければ、民間で居場所を設けて、新しい学びの場が広がればいい」。多様な学びを選択する子どものためのフリースペースとその保護者の会を運営する「自由創造ラボたんぽぽ」を4年前に立ち上げた。
○…大学3年生と高校1年生を持つ2児の母。次男が小学5年生の時、教師と合わず不登校に。やりきれない思いから壁を殴って穴をあけたり、眠れない日々。母から見ても辛い期間だったが、ある時、気持ちを切り替え「心を傷つけてまで無理に学校に行く必要はない」と見守ることに。中学生になった次男が言った「自由にさせてくれてありがとう」の言葉は、「苦労がすべて帳消しになった」と優しい笑顔をみせる。
○…東京都練馬区生まれ。親の転勤で小学4年生から3年間、香港で生活した。その頃から感じていた「日本の教育の窮屈さ」。旅行関係の出版社に就職し、世界各国を巡る中、子どもも大人も自分らしく元気に生きられる環境づくりを志すようになっていった。「学校に通うのは、義務教育だから当たり前という考えは日本に根強く残っている。けど学校という画一的な教育に合わない子がいるのも当たり前。そこで苦しむ子を増やしたくない」と力をこめる。
○…幼い頃から本好きで、現在は藤沢市民図書室に勤めている。学校だけではなく、本やゲーム、趣味の世界など、どれも立派な居場所。「自分が元気でいられる所で未来へのエネルギーが蓄えられる。選択肢はたくさん」