善行中学校で先月22日に行われた卒業記念行事「おもいで花火プロジェクト」を発案した 中山 佳典さん 大庭在住 53歳
皆の笑顔が原動力
○…「打ち上がった瞬間、生徒の喜ぶ姿は感無量だった」。卒業間近の善行中生へ夜空を彩る60発のサプライズを贈った。昨秋、修学旅行中止を告げられた中3の娘がこぼした「思い出なんかなくたっていい」。一言に突き動かされ「大人がそんなこと言わせちゃいけない。子どもたちの笑顔を作ろう」と学校へ掛け合い、協賛集めやあいさつ回りに奔走。熱意と行動力が地域を動かした。当日、娘からの「このお父さんで良かった」の言葉に目を潤ませた。
○…4児の父で、バルーンパフォーマー「なかやまちち」として地域のイベントなどで活躍する。カラフルな風船で動物や花を作りプレゼントしたり、会場を華やかに装飾。15年の活動を経て「この道一本で」と決意し、昨年1月、25年勤めた造園会社へ退職の意を告げた。しかし直後にコロナが直撃。夏までの出演スケジュールが真っ白に。「心がつぶれそうになった」と苦悩の中でも自身を奮い立たせ、ソーシャルディスタンスを保てるバルーン作品を考案し飲食店に配布するなど活動。「がんばって」の声に励まされ「人とのつながりに感謝。見通しは立たないが、一人でも多くの人を笑顔にするためチャレンジしていく」。
○…新潟県生まれ。泣き虫だった少年時代から人を笑わせるのが好きで「有名になってテレビに出る」と高校卒業後に上京し、俳優養成所で努力するも花開かず。それでもそこで知った「舞台に立ち人前で披露し、人に楽しんでもらうこと」は今も変わらない喜びだ。
○…現在は、藤沢駅北口の賑わい創出を進める「藤沢駅周辺地区エリアマネジメント」の活動にも参加。「大好きな藤沢を盛り上げたい。北も南も一丸となって盛り上げていけば、きっと皆が笑顔になる」と語った。