65歳以上の高齢者に向けた新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、県下の自治体担当者が頭を悩ませている。当初の開始予定日がずれ込んでいることに加え、国が県に示した供給量が想定外に少なく、ワクチン確保が不透明なためだ。10万人以上の高齢者を抱える藤沢市も準備に奔走するものの開始日すら見通せず、気をもむ状況が続いている。
「供給量が見込めなければ、全体のスケジュールが組めない。接種の調整も市民への通知もそれ次第で、正直なところ大変苦慮している」。市地域保健課ワクチン接種担当の担当者が苦しい胸の内を明かす。
政府は先月24日、65歳以上の高齢者へのワクチン接種を4月12日に開始すると発表した。ただ、同月19日の週までの神奈川県への配分量は約2万人分相当で、対象者全体の1%にとどまる。
同担当によると、2日現在で藤沢市への割り当ては示されておらず、具体的な接種日程のめどは立っていない。県は各自治体の意向を確認し、3月上旬までに配分方法を決める方針だが、「うちは後回しで良いという自治体はいないはず」と危機感を募らせる。国が示す開始日についても「そもそもワクチンが届くか分からない。開始できる自治体も限定的になるのでは」とみる。
市内在住の65歳以上の高齢者数は2月1日現在で約10万7千人。市は当初、3月下旬から接種券(クーポン)の発送を始め、順次ワクチン接種を行う予定だった。
「集団・個別」併用で
供給量の現状を踏まえ、接種方法についても見直す。当初は秩父宮記念体育館=鵠沼東=と秋葉台文化体育館=遠藤=、各地区の市民センターなどを会場とする集団接種を主軸に想定していたが、「小回りが効くよう」(同担当)、かかりつけ医による個別接種との併用に転換。今後、市医師会を通じ、接種に協力する医療機関を募るという。
集団接種の会場についてはワクチン確保の見通しがつき次第、公表するとしている。
藤沢市 コールセンター 8日に開設
市は3月8日、ワクチン接種に関する市民からの相談に応じる「藤沢市コロナワクチン専用コールセンター」を開設する。受付は土日祝日を含む午前9時から午後9時。ワクチン関連の専用窓口を設置することで、速やかな対応を図る。
運営は外部委託で、40人体制でスタート。問い合わせの状況によって、体制を拡充する。対象者や場所、予約の方法などについての問い合わせに応じるほか、接種券配布後は予約受付も行う。問い合わせは【電話】0570・07・2230へ。
ワクチン接種は、医療従事者、高齢者、基礎疾患のある人から順次開始する予定。対象者の接種時期や会場など詳細は今後、市ホームページなどで周知を図る。専用予約サイトのほか、市LINE公式アカウントでも予約できるようにする。
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