「東日本大震災を風化させない」。藤沢市建設業協会は、震災の記憶を後世に残し、いつ起きるか分からない自然災害に備えようと、これまで何度も視察に赴き、現地の人の声や被災状況から得た教訓を藤沢市民に伝えるなど、防災・減災活動に力を注いできた。
最初の視察は、震災発生から1カ月後。同会員の有志らは、4tトラックに物資を積み、石巻市に向かった。橋は落ち、がれきや木々が散乱する道なき道。到着後も、ほこりが舞い息苦しい中、自衛隊が川で人を捜索、車が塀の上にひっかかっていたり、グラウンドに遺体が置かれているなど、壮絶な状況を目の当たりにした。村上進会長は「地域の方々も心身ともに疲れ果てていた。言葉では言い表せないくらい凄まじい状況だった」と振り返る。
これらの経験を踏まえ同会では、これまでに5回講演会を実施。市内約2千カ所のカーブミラーに海岸からの距離と海抜の記されたステッカーを貼り、朝日町の建設会館内に水道が壊れた際にも使用できる防災井戸を新設。そのほか、レディオ湘南との放送協力協定や、市とドローンを活用した防災協定を締結した。「それでも藤沢より人口密度も低く、建物も少ない地域であの被害状況と考えると恐ろしい」と村上会長。今後も交流や連携を深め、もしもの時の備えを継続する。
10年の歩み動画配信
同会は現在、「第6回建設フォーラム」と題し、動画を配信している。南三陸語り部ガイドの菅原清香さんが「当時の記憶と復興への歩み」を語るほか、同会が見続けた復興までの10年間を振り返る。視聴は同会ホームページへ。
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