新型コロナウイルスワクチンの医療従事者に向けた優先接種が8日、藤沢市民病院で始まった。主に重症患者を受け入れてきた同院には、4日に県からファイザー社製のワクチン975人分が到着。初日は患者と接触する可能性が高い医師や看護師ら90人が接種した。
対象者は同院の医療従事者のほか、清掃など委託事業者の従業員、市消防局救急隊員、保健所の保健師など約2200人。今回はワクチンの供給量が限られることから、コロナ患者と接触する可能性が高い同院の職員に3週間ほどかけて順次接種を行う。今回接種を受けた人は、3月22日の週に到着予定のワクチンで2回目の接種も受けるという。
「負担の心配減る」
新型コロナウイルスの対応を巡って、同院はダイヤモンド・プリンセス号の陽性患者を受け入れるなど初期から対応に当たってきた。現在は県独自の医療体制「神奈川モデル」で重症患者の治療にあたる高度医療機関に指定されている。
同院によると、第3波により全国で爆発的に感染者が増えた1月下旬には30人ほどの患者を受け入れていたが、現在は7、8人程度で推移。ピーク時と比べれば医療体制も落ち着きつつあるという。
一方、これまでクラスター(感染者集団)は発生していないものの、職員らの感染例が散見されており、この日接種を受けた常田康夫院長は「職員が感染すると接触者全員がPCR検査を受けなくてはならず、現場の負担が大きい。ワクチン接種することでそうした心配が減る」とコメント。接種の感想としては「痛みやしびれなど特に異常はない」と話した。
県内で優先接種の対象になっているのは、薬剤師や救急隊員を含む約30万人の医療従事者。小田原市や横須賀市などでも始まっている。
高齢者の時期未定
一方、65歳以上の高齢者に向けたワクチン接種は医療従事者に次ぐ優先順位に位置付けられており、供給量が増えれば今後市内でも順次始まる見込み。ただ現状、十分な供給量の見通しが立っておらず、10日現在で具体的なスケジュールは決まっていない。
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