藤沢商工会館ミナパーク入り口に構え、東北の物産品を販売し、被災地の中小事業者を支援している「東北復興応援プラザ」。震災を機に藤沢市に移住し、10年間勤める福島県南相馬市出身の杉原芳枝さんは、藤沢から故郷を思い、自ら販売商品を探しに出向くなど復興支援に力を注ぎ続けている。
ミナパークの入り口をくぐり、左側に目を向けると「ずんだ大福」「なみえ焼きそば」「かもめの玉子」など東北地方の菓子や珍味など約120点がずらり。杉原さんらスタッフが優しい笑顔で出迎えてくれる。
同プラザは2011年8月、遊行通りに、東北のアンテナショップとして開業。その後、移転や閉店などがあったが、関連企業や市民からの要望を受け、15年に現在の場所で名称を改め復活した。
杉原さんが藤沢へ移住したのは11年7月。福島県内で避難生活を送る中、藤沢市が被災者の住居提供と就職支援をしているという新聞広告をきっかけに、家族6人での移住を決めた。
移住後すぐに店頭に立ったが、当時は風評被害もあり、厳しい現実を目の当たりにした。「福島県の商品と分かるとそっと置いたり、お客さんとの会話の中で『私は良いけど、子どもや孫には食べさせられないかな』という声を聞いたり」。切ない気持ちになる一方で、「買うことで何か役に立てれば」という温かい声を励みに、店頭に立ち続けたという。
現在は、地元に帰省した時やネット検索などで自ら販売できる商品を探し、商議所と相談しながら商品を店頭に並べることもしばしば。杉原さんは「10年という月日は、あくまでも時間の通過点。私を含め被災した人たちの心には、ずっとあの日の記憶は残り続けている。まだまだ応援したい」と話した。
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