藤沢市議会６月定例会で、市議の一般質問が行われる前に、市職員が事前に知った質問内容や市の対応を利害団体関係者に伝えていたことが22日までに明らかになった。翌23日の本会議で宮治正志副市長が質問者の井上裕介市議＝市民クラブ藤沢＝に対し「議会と当局の信頼関係を損なうものであってはならない。お詫びする」と陳謝した。
同市議会では、市議が一般質問に立つ前に予め市側に件名や要旨を通告し、質問範囲や意図を伝えた上で担当職員と面談する機会を申し合わせで設けている。
井上市議によると、公共事業に伴う測量や不動産登記などを市が委託する「公共嘱託登記土地家屋調査士業務」について、長年特定団体への随意契約が続いていることの現状と課題を一般質問で問う予定だった。ところが質問内容が漏れていると関係者から情報提供があり、市議が市に確認したところ、担当職員が「今度の議会で話題になりそうだ」「一般競争入札をすぐに行うわけではない」などと伝えていたことが発覚したという。
井上市議は「質問前に利害団体に情報が漏れるなど前代未聞だ。なぜ伝える必要があったのか、他にも同様のことはなかったのか、徹底調査を求める」と追求。宮治副市長は「長期にわたる随意契約がどう関わったのか見極める必要がある。再点検し、同様のケースがなかったかについても調査する」と述べた。
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