グラウンドを駆け回り、守備練習のボール出しにも笑顔を絶やさない。しかし、選手を見つめる瞳は鋭かった。「中学時代、ソフトボール部でプレーしていた。今も選手目線でアドバイスしてしまう」とはにかむ。
主将・山田光之介(3年)からの信頼も厚い。「走塁の無駄や雰囲気の中だるみ、的確な指摘をしてくれる」。試合中はベンチから大声で選手を鼓舞する。相手の配球を読み「初球狙って」「次変化あるよ」、フライが上がれば落下点の選手を即座に見極め「キャッチャー」と呼び掛ける。
祖父、父、兄が鎌倉学園高校野球部出身の野球一家。舞岡中(戸塚区)では迷わずソフト部を選び、副主将でエース、四番を務め、関東の舞台も経験した。「最高の仲間と日本一を目指していた。引退して一区切り。高校ではプレーしないと決めていた」。それでも高校の部活見学で決意が揺らいだ。「やっぱり野球をやるのも見るもの好き。選手経験を活かせるはず」。胸を高鳴らせ、新たな挑戦を始めた。
同学年のマネジャーは自分ひとり。高1の冬、心細さから部を離れようと考えたこともあった。踏みとどまったのは監督、保護者ら、そして同学年の選手5人の「頼りにしている」の言葉。優しさに心打たれた。5人とはその後、練習後に食事に行くなど、今では「兄弟、家族のような特別な存在」という。目指すは「県ベスト8」。信じる仲間と夏に挑む。
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