県政報告 観光漁業の振興に柔軟な対応を 神奈川県議会議員 松長泰幸
藤沢市には２つの漁業協同組合があり定置網やシラス船引き網など漁業を営んでいます。しかし漁獲の大半を占める定置網の漁具が台風などで被災し、経営が非常に厳しくなっています。そのため経営安定化のため片瀬海岸で潮干狩りができる場の整備や、地元で取れた新鮮な魚介類を使った漁協直営の飲食店を開設するなど観光客を呼び込む新たな施策展開の必要性に迫られています。
実現すれば知名度もあがり漁業者の収入を増やすことも見込めます。海岸や漁港の利用について柔軟に対応し、県内漁業振興を支援していくことが重要と考えます。
すでに県内の実績として観光漁業では、藤沢市や茅ヶ崎市などの地引網、横須賀市走水地区のアサリの潮干狩り、葉山町などのワカメの養殖体験があります。また名産品づくりでは、藤沢市辻堂地区の漁業者と県水産技術センターが協力してハマグリの稚貝を放流・育成し、漁協で直売している「湘南はまぐり」があります。これらは漁業者の所得向上や地域活性化につながっており、県が観光漁業を支援することが成功につながる重要な要素となっています。
県はこの成果を踏まえ、江の島片瀬地区でも稚貝の放流・育成を行い、漁協が潮干狩りができるよう、水産技術センターが生息に適した場所や稚貝放流後の生存率の調査など支援に注力すべきと考えます。
また、県内で盛んな定置網漁業についても、網の中に入って魚を観賞するダイビングツアーや漁業者が網から魚を引き上げる様子を見学するツアーなどが、新たな観光事業のコンテンツとなっています。こうしたツアーと漁港等での直売や食堂を組み合わせることによって相乗効果をあげ、多くの観光客を呼び込むことが期待できます。県には、漁協等にこうした新たな取り組みを提案し、実施に前向きな漁協等には計画段階から助言し補助等含め、伴走型の支援を行ってほしいと思います。
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松長やすゆき
神奈川県藤沢市辻堂3-6-3
TEL:0466-34-2639
taishin@opal.dti.ne.jp
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