藤沢税務署長に7月、就任した 千葉 雅英さん 横浜市在住 60歳
「やるしかない」の名曲胸に
○…コロナ禍による市井の厳しさを肌で感じている。「状況によって納税猶予などの制度の適用もある。丁寧な説明ができる税務署に」と寄り添う姿勢を示す。職員には感染リスクと戦う現場を思い、「まずは自らの心身の健康が第一、その上で実力発揮を」と伝えた。藤沢の着任は初。市民の人柄に魅力を感じた。「肩ひじはっていない大らかな方ばかり。なじみやすい」と破顔。「業務は税務署だけで成り立つものではない」と市民が組織する地域の関係団体との連携を重視。「タッグを組んで尽力したい」と話した。
○…キャリア40年余り。入庁のきっかけは、父の勧め。「受験勉強をする気がなくて」と消去法的な理由だった。しかし、元来の凝り性が芽吹き、法律やその解釈など専門性の高い学びを楽しみ、能力を開花させた。特に長く携わった国際課税の分野で活躍。外国との税率の違いを悪用する企業の調査や、国際間の事業で起こる二重課税を防ぐ諸外国との租税条約締結で実績を上げた。とは言え杓子定規な理論ばかりではない。「事前の信頼づくりを大切にしてきた」という。
○…横浜生まれ。高校時代、軽音楽部に入ったことを機に始めたギター演奏は今も趣味。署内のイベントで披露したこともある。「そういえばビーチボーイズがトリを務めた1979年に江の島で開催されたジャパンジャムに行った」と音楽では藤沢との縁もあった。現在は妻と犬猫と暮らす。癒しは「犬の散歩」だ。
○…座右の銘を尋ねると、洋楽2曲のタイトルを上げた。1曲目がローリングストーンズの「いつも思い通りになるわけじゃない」。そしてもう1つがクイーンの「やるしかない」。まさにロックだ。