カラフルな色彩とダイナミックな描写が印象に残る油絵。よく目を凝らすと浮かび上がってくるのは無数の手足、指先などの人体のパーツのモチーフだ。「苦しい時、自分の心、体はどうなっているか。今、何を感じているのか」。目を閉じて、ひたすら自身に向き合って、油彩で作品を生み出す。葉山ひなのさん(26)=石川在住=は、描きためてきた作品を手に、アトリエで語った。
滝の沢中ではテニス部、湘南工科大附属高では弓道部と活発で、絵を描くのはノートの端の落書きのみ。それが一変したのは「油絵具」に触れた高3の時。自分が表現するのにぴったりの素材と直感した。「物を見て上手に描くのではなく自分の視点を持って光を当てて描く」。予備校に通い掴んでいった確かな感覚を信じ、武蔵野美術大油絵学科に進んだ。2年からは自由に描く課題が増え自然と「自分の内面の世界や深層心理」が一貫したテーマになった。
卒業制作展で優秀賞を獲得し、大学院にも進学。2018年からは、日本とロシアの若手アーティストの交流や、シンガポール、フランス、スイスなどでグループ展に参加するなど、海外に活動の場を広げた。コロナ禍の現在はアトリエで創作に没頭するほか、参加者に自由描画を体験してもらう「こころ&アート研究会」を開催する試みなども行っている。
「地元でいつか」と考えていた個展。会場との縁で実現することに。縦2m×横2・6mの大作「日差しと呼吸」をはじめとした油絵7点ほどを中心に展示予定。在廊日も設け「絵に興味がなくても、気軽に近所の方たちに足を運んでもらえれば」と笑顔を見せた。
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