来年取り壊しが予定されている羽鳥の国登録有形文化財「旧三觜八郎右衛門住宅」を忠実に再現した50分の1の模型がこのほど完成した。作成は大和市の五十鈴中央(株)大和サービスセンター。本業の自動車や家電の鉄板を扱う三次元測定技術を生かし、文化財をデジタルデータ化、保存・活用する取り組みの一環として行われた。同社次長の安藤正純さんは「当社の技術で地域に社会に貢献していきたい」と話す。
同文化財は、羽鳥の旧家・三觜家の主屋。明治初期に建てられ、当時珍しい木造2階建てに加え、洋風、商家風の外観などで知られる。
保存にあたり、外観から内装まで、色や質感も緻密に捉える点描データを測定。幅90cm、奥行き75cmの模型を作成した。屋根や2階部分を取り外すと、細かな装飾なども再現されている。また、現在移設されているとみられる正門も建設当時の位置で復元した。
同社では、昨年4月から社会貢献を目的にした新規事業を模索してきた。今回は湘南産業振興財団を通して、市に文化財のデジタルデータ化による保護事業を提案し実現した。データと模型は今秋、市に寄贈予定。安藤さんは「文化財は経年劣化が避けられない。色褪せず、誰もが見られるデジタルの活用で、歴史文化の教育や郷土愛の醸成に使ってもらえれば」と思いを語った。
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