門の外から鉄工所を覗き込む「小さな見学者」。暑い日も寒い日も「きょうもすずきてっこうじょにいく」と夕方にやってくる一人の男の子が、社員や近隣住民の心を和ませている。
1月中旬、ある日の夕方。鈴木鉄工所=石川=の事務所では社員が窓の外を見て「そろそろかな」「今日もよっちゃん来たよ」と声が上がる。
やってきたのは三宅喜時君(3)=天神町。母親と訪れ、鉄道の駆動装置などを手掛ける重機作業をじっと見つめる。安全面から門の中に入ることはできないが、社員からフォークリフトの説明を受けると笑顔を見せた。
きっかけは昨年3月末。近隣の丸石公園で遊んだ後、買い物帰りに偶然通ったところ、釘付けになった。作業の迫力や音に魅せられて平日はほぼ毎日通うと、いつしか親子の姿は社員の目にもとまり顔なじみに。
来ない日を心配されるほどになったといい、樺澤冨美雄社長(78)は「90年以上続く会社だが、こんなに毎日見に来る子は初めて。背筋の伸びた姿に自分もファンになった」と話す。喜時君の母親・薫さん(34)は「地域の方々に成長を見守ってもらえていることが何よりありがたい」とほほ笑む。今日も和やかな交流が続いている。
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