古来、風光明媚な土地として親しまれてきた江の島で、アートを切り口にした観光資源の再発掘を試みようと、地域の観光関係者らが意見交換するパネルディスカッションが16日、江島神社で開かれた。現在開催中の「江の島国際芸術祭」の一環。
藤沢市と市観光協会の主催。パネリストには江島神社の相原圀彦宮司、市観光協会の湯浅裕一会長、湘南藤沢ナイトツーリズム推進協議会の二見将幸会長、同芸術祭総合監督の藤原大さんが登壇した。
相原宮司は、江の島の誕生や江島神社の由来を描いた市指定重要文化財「江嶋縁起絵巻」について紹介。同神社の弁財天信仰や絵巻の芸術的価値などについて話した。
これを受け、湯浅会長は浮世絵の題材としても親しまれてきた歴史に触れ、「徳川の代々の将軍が江の島詣でに訪れ、江戸中期には庶民の間でもブームになった」と説明。「当時の観光スタイルは現在に通じる」とし、古今に共通する魅力を語った。
二見会長は「青い海や富士山は不変のもので、景観だけで芸術足りえる」と指摘。「300年前から親しまれながら、まだ知られていない懐の深さもある」とし、「時代に合わせて新たな切り口を示していかなくてはならない」と述べた。
藤原さんは今年初開催された芸術祭のコンセプトなどについて紹介。今後に向けては国際性や長期的な展望を視野に「市民を巻き込みながら、じっくりと育てていきたい」と話した。
同芸術祭は5月31日まで。影絵や空間演出、ビーチアートなど様々な分野の芸術文化が体験できる市民参加型のイベントとなっている。
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