毎週土曜日の朝、世界各地でランナーが走り出す――。そんな国際的なイベントが、辻堂海浜公園でも1年半ほど前から続いている。ボランティアによる運営で参加無料。歩いてよし、走ってよし、応援だけでも歓迎。そんな”ユルさ”が手伝って参加者も徐々に増え、地域コミュニティーの醸成にもひと役買っているようだ。
21日の午前8時。カウントダウンに合わせ、ランナーが一斉に駆け出した。参加したのは27人。顔ぶれは小学生から高齢者、外国人まで様々だ。
園内に設定した1・25Kmのコースを計4周。「ファイト!」「ナイスラン」。沿道からはボランティアが声援を送り、背中を押す。とはいえ、記録狙いの人もいれば、途中で徒歩に切り替える人もいる。中にはベビーカーを押したり、ペット連れも。参加方法は自由なのが最大の特徴だ。
世界20カ国以上で
パークランは英国発祥のイベント。世界20カ国以上、国内でも29会場があり、県内では横須賀市や大磯町でも開かれている。時差があるため実際には一斉にとはいかないが、土曜朝が通例だ。
「ひとつは達成感。シャキッとした気持ちで一日がスタートできる」
同公園のイベント発起人で、柄沢在住の村山晴香さん(28)がパークランの魅力を語る。英国に留学経験があり、現地での参加経験を経て帰国後の2020年10月からスタート。これまで開催は59回を数えた。
常連になり、今はボランティアとして運営を手伝ってくれる人もいる。辻堂太平台の会社員、後藤士郎さん(46)もそんな一人。飲み歩きが趣味だったが新型コロナ禍で機会が減り、替わりにランニングが習慣になった。単身赴任の今も帰郷の度に参加する。「現役世代が地元の人と知り合える貴重な機会。健康増進にもなる」。80キロ近かった体重はこの2年で15キロ減ったという。
この日、参加した英国出身のサイモン・ロリマーさん(59)は走り終えると笑顔を見せた。「周りを巻き込むことで健康と笑顔と活力をもらえるのがパークランの魅力。ここはボランティアもラブリーだしね」
村山さんは「誰でも気軽に参加できて『ちょっといい朝』を過ごせるイベントとして育てていけたら」と話した。
◇
参加は最初に専用フォーム(「パークラン 登録」で検索)に登録。以後発行されるバーコードがあれば全国どこでも参加できる。同公園では毎週土曜日午前8時にサザン池前をスタート。雨天やボランティアが集まらない時は中止になる。
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