「自分が投げて、打って、あらゆる面でチームの勝ちに貢献したい」。強い決意でグラウンドに立ち、空を見上げた。
昨夏7月17日、湘南工大付高戦。9回表を投げ抜き、その裏。反撃を信じて打席に立ったが、結果は最後の打者に。1-4で敗退。その3日後、危篤状態にあった母・尚子さんが息を引き取った。「西高の試合を見届けてくれたと思う。本当は勝ちを報告したかった。この夏こそは」
本町小1年で少年野球を始め、中学では主将を経験。2018年末、母が闘病生活となり、父・裕之さんや祖母が家事を担う中で「野球を続けていいのか」。何度も葛藤した。それでも背中を押したのは母の言葉"自分に何があっても、野球を優先してほしい"だった。3歳上の兄・海人さんと自身がプレーする姿が好きと言っていた。それから練習を休んだことは一度もない。
昨秋、三宅裕太監督から副主将に抜擢。繁野夏輝主将と二人三脚でチームを鼓舞し続け、秋季大会ではベスト32と健闘。私学相手にも真っ向勝負で手応えを得た。
投手としては二枚看板の一枚を担い、右翼手も兼任する。打順は2番。攻撃面でも期待されるまさにオールラウンダーへと成長した。重責をものともせず、きっぱりとまっすぐな目で言う。「目標はまずベスト16、そしてその先のベスト4へ」
野球生活集大成の夏は、もうすぐだ。
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