普段は寡黙だが野球のことになると途端に熱くなる。そんな父だった。
闘病中だった父が今月に入って他界。夏の結果を報告することは叶わなかった。主将として昨年を超える8強を目指す今夏、墓前に吉報を届けるため、決意を改める。
かつて甲子園にも出場した古豪は今、転換期にある。強豪私学に象徴される、打ち勝つ野球からセオリーと守備を重視した野球への転換だ。
春季大会では3回戦、横浜商大との対戦で無死満塁からスクイズを決められず、1点差で敗れ、悔しい思いをした。「やるべきことを然るべき場面で決める」。その大切さが身に染みた。
チームでここ数年来もう一つ大きく変わったのが、選手の自主性だ。勝つための要素は提示されるが、プロセスは自らが考える。春の経験を踏まえ、打撃練習前には3連続でバントを決めることをチームで義務付けた。地道な積み重ねが、底力になりつつある。
主将として、重圧はあっても気後れはない。肩の故障もあり、野球は高校までと決めている。積み上げてきたことを愚直に出し切るだけだ。
野球を続けさせてもらった感謝を生前父には伝えることができなかった。「でも、きっと見守ってくれているはず」。だから、いい結果を出して、父に喜んでもらいたい―。そんな思いが背中を押す。
泣いても笑っても最後の夏。開幕はすぐそこだ。
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