監督いわく「うちの元気印」。誰より率先して声を張り上げ、仲間に檄を飛ばす、副主将でチームのムードメーカーだ。誰もが一目置く精神的支柱だが、春季大会では苦い経験をした。
違和感を覚えたのは地区予選初戦。いつも通りスタメンで遊撃手についたが、送球が思うように定まらず「調子が悪い」。最初はそう感じただけだったが、次第に歯車が狂っていくのを感じた。送球が大きくそれ始め、2戦目以降も失策を重ねた。3戦目には接戦のつばぜり合いで併殺の暴投から失点を招いた。
「またエラーしたら」。身体が萎縮し、悪いイメージが脳裏に焼きついて離れない。チームはかろうじて本線に進むことは出来たが、もはや守備の要として務めは果たせなくなっていた。
与えられた背番号は16。控えに回ることが決定的になった。悔しくて仕方なかった。自暴自棄になってもおかしくはなかった。
でも、腐らなかった。
どんなに窮地で、ミスを重ねても、声だけは出し続けた。片付けや雑用も率先して買って出た。「ここまでやってきて親も応援してくれている。ここでがんばらなかったら全部無駄になる」。チームが今夏掲げるのは「覚悟」の二文字。折れずに走り続けるのは、自分なりの覚悟の証だ。
最後の夏に向け、不安が全くないと言えば嘘になる。でも、「もう大丈夫」。幸い、最近は上り調子で失策も格段に減った。「ベンチを盛り上げて、試合に出るときは100%を発揮する」。やるべきことは明確だ。
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