「カキーン」という小気味いい音が響く藤沢西高野球部のグラウンド。
マネジャーの漆原みなみ(3年)と外山里菜(同)。1年生からマネジャーを務めてきた2人は、誰もが認める大の野球好き。「とにかく西高野球部のマネジャーになりたい」と入学したのだという。
マネジャーの仕事は試合中のスコア付けはもちろん、練習ではノックのボール渡し、ファーストに溜まったボールの処理と幅広い。グラウンドの外では選手のアイシング用の氷嚢の洗濯まで受け持っている。「手洗いなので、冬は手が荒れてしまって。グラウンドで動き回るので、日焼け止めも欠かせません」と女子らしい悩みもうち明ける。「自分たちで気付いたことは率先して動くようにしています」。練習に打ち込んでいる選手たちにとって何とも頼もしい存在だ。
チームは昨年の秋の大会で、法政二高に17対0と大敗。2人曰く、今年のチームは歴代最弱とも評されているという。そんな選手たちを力づけようと作ったのが「文字鶴」。横150cm、縦75cm、折鶴3920羽で作られた文字鶴には、スクールカラーであるブルーに染まった「下剋上」の文字が浮かび上がる。バッティングの強化、そして足をからめた攻撃を磨き、あの屈辱を見返そう、そんな意味が込められている。昨年から2人でコツコツと作り始めて完成したのはこの5月。お披露目の時には選手たちから大歓声が上がった。
西高の初戦は7月13日、小田原球場での山北戦。グラウンドでの戦いとは違うかもしれないが、2人もまたこの夏、最後の戦いの舞台に立つ。「選手と1分、1秒でも長く一緒に戦いたい」。心を込めた「文字鶴」が後押しする熱い夏が始まる。
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