標高8163mのマナスル登頂を目指す 畠山 政大さん 片瀬在住 21歳
一から作り上げる楽しさ
○…ヒマラヤ山脈に属し、標高世界第8位のマナスル。8千m超で戦後日本人が初めて登った山だ。神奈川大学山岳部の現役学生とOBが結成した登山隊のメンバーとして、8月25日に日本を出発、9月末の登頂を目指す。「いつか登ってみたかった山」と、期待に胸が膨らむ。3カ月前からはメンバーと毎週会合をし、日々メールで打ち合わせ。「2カ月分の食事を考える仕事もある。食料はたくさん持っていけないし、カロリー計算も必要で大変」と苦笑いする。
○…神奈川大学に進学したのは「山岳部が毎年海外遠征に行くから」。初めての遠征では高山病にかかり、入院した経験も。そのときに断念した山もマナスル登頂後に登山予定。「あの時は未熟だった。再チャレンジしたい」と意欲を燃やす。
○…小さい頃から海が身近な存在で、自然が好き。藤沢翔陵高校入学後は登山に挑戦してみようと山岳部の門を叩いた。沢登りや冬山登山など、多彩な山行にはまった。高校1年生の時には、ホームステイ先の家族とオーストラリアの山に登り、日本とは違う植生や景色に魅せられた。その後は語学力をつけるため、英語英文科を選択。海外での経験は「多様な文化に対して寛容になった」と分析する。大学では構内のクライミングウォールで朝と放課後練習、週3回のトレーニングと、週末3日使って国内の登山も。部長として山岳部を引っ張っている。
○…「登頂したときよりも登っている最中が好き」。自分で一から計画を作り上げ、そのルートを登っていく過程がたまらない。他の登山者の動きをみて、「こんなルートもあるんだな」と思いながら登るのもまた楽しいのだとか。夢は教員になること。「高校時代の恩師のように、山の魅力を子どもたちに伝えたい」